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病気のはなし
高血圧症
著者: 下澤達雄1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.314 - P.320
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高血圧症は現在心血管イベントのリスクファクターのうちで最も罹患率が高いが,そのほとんどは原因不明の本態性高血圧と呼ばれるものである.血圧の規定因子は体液量と血管抵抗であり,それぞれを制御するメカニズムの検討が進んでいるが,患者ごとに規定因子の関与がどの程度であるかを診断することはいまだできていない.一方,大規模臨床試験から近年の治療法の進歩によって,生活習慣の改善,あるいは降圧薬で血圧を下げることが心血管イベントを抑制しうることが明らかとなり,2009年の高血圧治療ガイドラインでも治療法が詳しく述べられている.今後は高血圧症の診断方法の改良と病態の分類が進み,エビデンスに基づいたよりよい治療ができるようになることが期待される.
高血圧症は現在心血管イベントのリスクファクターのうちで最も罹患率が高いが,そのほとんどは原因不明の本態性高血圧と呼ばれるものである.血圧の規定因子は体液量と血管抵抗であり,それぞれを制御するメカニズムの検討が進んでいるが,患者ごとに規定因子の関与がどの程度であるかを診断することはいまだできていない.一方,大規模臨床試験から近年の治療法の進歩によって,生活習慣の改善,あるいは降圧薬で血圧を下げることが心血管イベントを抑制しうることが明らかとなり,2009年の高血圧治療ガイドラインでも治療法が詳しく述べられている.今後は高血圧症の診断方法の改良と病態の分類が進み,エビデンスに基づいたよりよい治療ができるようになることが期待される.
参考文献
1) 日本高血圧学会(編):高血圧治療ガイドライン2009.ライフサイエンス社,2009
2) Cook NR, Cutler JA, Obarzanek E, et al:Long term effects of dietary sodium reduction on cardiovascular disease outcomes:observational follow-up of the trials of hypertension prevention (TOHP). BMJ 334:885,2007
3) 日本高血圧学会減塩ワーキンググループ(編):減塩ワーキンググループ報告.日本高血圧学会,2007
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