icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻4号

2009年04月発行

文献概要

目指せ!一般検査の精度向上

―検出を高める寄生虫検査のポイント:4―日常検査で遭遇する虫体

著者: 福富裕之1

所属機関: 1株式会社昭和メディカルサイエンス検査部

ページ範囲:P.356 - P.360

文献購入ページに移動
はじめに

 昨今,国内の医療現場では寄生虫に出会う機会が非常に少なくなっている.このため,実習以外で寄生虫を全く見たことがない若い医師や臨床検査技師も珍しくはない.しかし,世界的視野で見れば,寄生虫症はいまだに人類の疾病の主流である.流通や交通機関が発達した現在では,思わぬ寄生虫症に出くわす可能性があるが,臨床検査技師が寄生虫を目の当たりにしたときに,それが何なのかわからなければ治療方針も決まらないし,もし寄生虫と認識できなければ重大な事態にもなりかねない.

 寄生虫とは寄生生活を行う生物全般を指すために,その同定のためには広域な生物の形態を知る必要があり,異種寄生,異所寄生,偶発寄生,人獣共通寄生虫などの複雑な要因も絡んでいることから,興味はあるが難しいと感じる臨床検査技師もいると思われる.本稿では,日常検査で遭遇する可能性が高い,原虫を除く虫体について検査の注意点や手技などを簡単に述べる.

参考文献

1) 吉田幸雄:図説人体寄生虫学 第6版.南山堂,2003
2) 内田明彦:パラサイト学 第1版.メディカグローブ,2005
3) 濱田由実子,中山容子,福富裕之:日本海裂頭条虫ストロビラ各片節の縦幅と横幅の計測値について.医学検査 54:647,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?