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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻5号

2009年05月発行

文献概要

技術講座 病理

骨髄標本の染色性向上のコツ

著者: 小林博久1 定平吉都2

所属機関: 1川崎医科大学附属病院病理部 2川崎医科大学病理学教室1

ページ範囲:P.425 - P.429

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新しい知見

 ハマースミス・プロトコル1):ロンドンのハマースミス(Hammersmith)病院で骨髄針生検材料の病理診断のために考案された処理法で,酢酸(acetic acid)-亜鉛(zinc)-ホルマリン(formalin)固定液(以下,AZF)で20~24時間固定後,グッディング(Gooding)とスチュワート(Stewart)の脱灰液(以下,GS)で6時間脱灰し,他組織と同様にパラフィン包埋を行い,1μmの薄切切片を作製する方法である.本法は形態保持が良好であるばかりでなく,免疫染色の抗原性やDNA解析,ISH(in situ hybridization)のための核酸の保持に優れている.

 ・AZF:塩化亜鉛12.5g,ホルマリン原液150ml,氷酢酸,7.5ml,蒸留水で1,000ml

 ・GS:10%蟻酸・5%ホルムアルデヒド

参考文献

1) Naresh KN, Lampert I, Hasserjian R, et al:Optimal processing of bone marrow trephine biopsy:the Hammersmith Protocol. J Clin Pathol 59:903-911,2006
2) 岩知道伸久,小林博久,定平吉都:私のこだわり・工夫『骨髄病理標本作製時の固定には,ブアン液が最適である』.病理と臨床 26(臨時増刊号):395-397,2008
3) 小林博久,定平吉都:骨髄組織標本の特殊染色.定平吉都(編):わかりやすい骨髄病理診断学―吸引クロット,生検組織の見方.西村書店,pp18-22,2008
4) 伊藤雅文:AS-Dギムザ染色を中心に.定平吉都(編):わかりやすい骨髄病理診断学―吸引クロット,生検組織の見方,西村書店,pp23-26,2008
5) 小林博久,南香織,宮原育代,他:鍍銀染色(標準化への取り組み)IV―日臨技標準法における検討.医学検査 45:78-84,1996
6) 岩知道伸久,定平吉都:骨髄組織標本の免疫染色.定平吉都(編):わかりやすい骨髄病理診断学―吸引クロット,生検組織の見方.西村書店,pp395-397,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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