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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

技術講座 生化学

―ホルモンの測定シリーズ・3 甲状腺・副甲状腺系:1―甲状腺刺激ホルモン(TSH)の測定法

著者: 青野悠久子1

所属機関: 1東京文化短期大学臨床検査学科

ページ範囲:P.505 - P.511

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新しい知見

 甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone,TSH)の測定は第三世代の測定法(化学発光イムノアッセイ)が定着し最小検出感度(実効感度)が0.01μIU/mlまで検出可能となった.しかし,使用する抗体とキャリブレータ,測定法などの標準化がなされていないために測定値がメーカーごとに若干違いがある.標準化に向けて2007年の第50回日本甲状腺学会において甲状腺インビトロ検査標準化委員会設立後初めて標準化の進捗状況をシンポジウムで公表された.以後,TSH,遊離型サイロキシン(free thyroxine,FT4)の標準化が至急解決すべき問題として取り上げられている.2008年の第51回同学会シンポジウム『甲状腺機能検査とその標準化』でも現状の調査報告が行われた.また,日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)標準化基本検討委員会でも検討されている.

参考文献

1) Spencer CA, Takeuchi M, Kazarosyan M, et al:Interlaboratory/intermethod differences in functional sensitivity of immunometric assays of thyrotropin (TSH) and impact on reliability of measurement of subnormal concentrations of TSH. Clin Chem 41:367-374,1995
2) Spencer CA, Takeuchi M, Kazarosyan M:Current status and performance goals for serum thyrotropin (TSH) assays. Clin Chem 42:140-145,1996
3) 青野悠久子,田辺久美子,山口ひろ子,他:高感度TSH測定法 非放射性標識体を用いた10測定法の比較検討と今後の課題.診療と新薬 33:1159-1161,1996
4) 青野悠久子,荒井由貴子,山口ひろ子,他:Vitros TSH,FT4,FT3の基礎・臨床的検討.診療と新薬 35:568-573,1998
5) 久保田憲,篠原義政,片柳直子,他:測定法 第三世代TSH測定法「イムライズHS-TSH」のバセドウ病抗甲状腺剤治療における有用性について.ホルモンと臨床 47:77-84,1999
6) 青野悠久子,山口ひろ子,荒井由貴子,他:全自動化学発光免疫測定装置ARCHITECTi2000を用いた甲状腺関連試薬5項目の評価.医学と薬学 43:107-113,2000
7) 青野悠久子,内村英正,山口ひろ子,他:著しい甲状腺機能亢進症を呈した胞状奇胎患者hectの分析.ホルモンと臨床 47(増):87-91,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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