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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

技術講座 血液

発作性夜間血色素尿症(PNH)の検査

著者: 中熊秀喜1

所属機関: 1和歌山県立医科大学輸血・血液疾患治療部(血液内科)

ページ範囲:P.513 - P.518

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新しい知見

 発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria,PNH)は溶血,血栓症,造血障害を呈する.溶血の分子病態はほぼ全容が解明された.PIGA変異,コードされるグリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinositol,GPI)糖鎖合成酵素の異常,GPI糖脂質の合成不全,GPI結合型補体制御因子の欠損によるPNH赤血球の補体感受性亢進,などである.血栓形成も溶血の影響が大きい.補体第5因子に対する抗体医薬エクリズマブ(eculizumab)の登場により溶血も血栓症も阻止できるようになり予後の改善が期待される.造血障害は再生不良性貧血(aplastic anemia,AA)と似た免疫機序によると考えられ,また発症に必須のPIGA変異クローン拡大は選択的生存と増殖優位で説明されつつある.

参考文献

1) 中熊秀喜:発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH).浅野茂隆,池田康夫,内山卓(監):三輪血液病学 第3版.文光堂,pp1163-1181,2006
2) 金倉譲,西村純一,木下タロウ,他:発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド.臨床血液 47:215-239,2006
3) Suzukawa K, Ninomiya H, Mitsuhashi S, et al:Demonstration of the deposition of hemosiderin in the kidneys of patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria by magnetic resonance imaging. Intern Med 32:686-690,1993
4) 藤岡成徳:Ham試験における補体活性化と溶血の機序.検査と技術 22:481-486,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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