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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

目指せ!一般検査の精度向上

―尿沈渣検査の精度向上:2―尿沈渣教育―尿沈渣成分の保存とデジタルカメラによる画像の保存

著者: 横山貴1 大沼栄子1

所属機関: 1東京女子医科大学病院中央検査部一般検査課

ページ範囲:P.528 - P.532

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はじめに

 尿沈渣成分は腎・泌尿生殖器をはじめ,全身で起こる種々の疾患を反映し,時に成分自体の存在によって確定診断に至ることもある.したがって,尿中にはく離した細胞と種々の成分の質的および量的なものを評価する尿沈渣検査は,臨床的に有用な検査になり得るものと考える.しかし,尿沈渣検査は永久標本による評価でないことや,変性,崩壊や減少によって検査標本中に同一成分が再度出現するとは限らないため,希少かつ臨床的に重要な尿沈渣成分の場合は,固定液を用いて保存もしくはデジタルカメラによる画像を保存することが重要と考える.

 本稿では,尿沈渣検査に携わる人を対象とした教育と臨床的に有用な成分の記録という観点から,尿沈渣成分の固定液による保存とデジタルカメラによる画像の保存,ならびにその活用方法について述べる.

参考文献

1) 佐々木政臣,若狹研一,大澤雅彦,他:ゼラチン液を用いた尿細胞診塗抹処理の検討―ゼラチン法.臨床検査 51:1259-1261,2007
2) 友田美穂子,八木靖二,高橋ひろみ,他:尿沈渣試料の経時的変化と長期保存法.Medical Technology 33:1173-1180,2005
3) 福田嘉明:デジタルカメラを利用した顕微鏡写真の撮り方.都臨技会誌 31:407-409,2003
4) 東間紘(監),横山貴,堀田茂(著):そこが知りたい尿沈渣検査.医歯薬出版,2006
5) 東京都臨床検査技師会一般検査研究班ホームページ(http://www.tmamt.or.jp/ippan/index.htm)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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