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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈一般〉

髄液検査の実際―前編

著者: 三村邦裕1

所属機関: 1千葉科学大学危機管理学部環境安全システム学科臨床検査学コース

ページ範囲:P.541 - P.544

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はじめに

 脳脊髄液(以下,髄液)は脳室および脊髄腔に存在する水様透明な液体で,中枢神経系の保護を行うとともにその代謝に重要な役割を果たしている.成人の髄液は100~150mlくらいで,1分間に0.3~0.5ml生成され,1日に4~6回入れかわる.髄液の組成は脳脊髄疾患の場合,著しい変化をきたす.そのため髄液の検査は中枢神経系の炎症や腫瘍の病態把握や診断,治療方針の決定そして治療効果判定などに役立つ重要な検査とされている.しかし,検査件数が少ないことや検査の煩雑さということから一般的な検査とは言えない.

 そこで本稿では髄液検体の採取と取り扱い,細胞の分類と算定,そして髄液中の臨床化学検査について解説する.

参考文献

1) 三村邦裕:髄液の検査.濱崎直孝,高木康(編):臨床検査の正しい仕方.宇宙堂八木書店,pp22-26,2008
2) 三村邦裕,鈴木敏恵,宿谷賢一,他:臨床検査学講座 臨床検査総論,第2版.医歯薬出版,2009
3) 狩野有作:髄液.臨床化学的検査.Medical Technology 33:1442-1450,2005
4) 太田喜孝:標準化のための髄液一般検査.臨床病理レビュー 140:65-71,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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