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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生理〉

測定条件による血圧の変動

著者: 桑島巌1

所属機関: 1東京都健康長寿医療センター

ページ範囲:P.545 - P.548

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測定環境による違い:診察室血圧と家庭血圧

 近年,家庭血圧計が非常な勢いで一般家庭に普及しており,高血圧の患者さんの多くは家庭において血圧の自己測定を行うようになっている.図1は,診察室で医師が測定した収縮期血圧と,患者さんが自宅で測定した収縮期血圧の相関をみたグラフである.

 本来ならば診察室で160mmHgなら家庭血圧でも160mmHgとなれば問題ないが,実際には一見してわかるように,お互いの相関はほとんどみられない.すなわち診察室血圧は170mmHgであっても家庭で測定すると120mmHgの人が結構いる.このように診察室では高血圧であっても,自宅では正常血圧の人のことを,白衣高血圧という.診察室で医師や看護師の白衣を見たとたん血圧が上がってしまうことからこの名前がつけられたのである.

参考文献

1) Bobrie G, Chatellier G, Genes N, et al:Cardiovascular prognosis of "masked hypertension" detected by blood pressure self-measurement in elderly treated hypertensive patients. JAMA 291:1342-1349,2004
2) Kristal-Boneh E, Harai G, Green MS:Seasonal change in 24 hour blood pressure and heart rate is greater among smokers than nonsmokers. Hypertension 30:436-441,1997
3) Modesti PA, Morabito M, Bertolozzi I, et al:Weather-related changes in 24-hour blood pressure profile:effects of age and implications for hypertension management. Hypertension 47:155-161,2006
4) 河野雄平:アルコールと高血圧.臨床高血圧 6:138-152,2000
5) 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン2009.ライフサイエンス出版,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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