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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻6号

2009年06月発行

文献概要

コーヒーブレイク

病院長からみた臨床検査部

著者: 三宅良彦1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院

ページ範囲:P.553 - P.553

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 臨床検査に求められるのは,当然であるが,まず“精度”と“速度”であろう.必要とされる精度を確保した検査結果を,可能な限り迅速に臨床現場に届けること,これが臨床検査技師および臨床検査部の最も主要な役割と言える.医学の進歩のほか,IT機器の目まぐるしい変化や電子カルテの普及などに伴って検査の方法,結果の提示方法や保管方法が次々に改められ,検査部の作業の質や量にたとえようもない変化が生じた.検査技師だけでなく,すべての職員が戸惑いながらこれに馴染もうと必死である.特に私のように目も耳も,そして頭脳も衰えた者にとっては,つらい試練である.

 精度,速度と同等の比重で求められるものとして,“安全性”と“経済性”がある.安全性とは,検査中に生じるケガや障害はもちろん,職場が原因で生じるメンタル障害の防止も含まれる.この障害の発現をいかにして阻止するか,いかにして早期に発見するか,現代の重要な課題である.医療に携わる私たちは,病める人々の苦痛を少しでも和らげるため日夜働いているが,私たちが病める人になっては佳い医療を提供することができなくなってしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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