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B型またはO型の分泌型の人の食事による小腸型ALPのクリアランス機構
著者: 松下誠1
所属機関: 1埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科検査技術科学専攻
ページ範囲:P.554 - P.556
文献購入ページに移動今から25年ほど前の話になるが,筆者がまだ大学病院の検査室で,酵素のアイソザイム検査など,電気泳動を担当していたころ,アルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase,ALP)のアイソザイム検査は,あまり好きなルーチンワークではなかった.それは,肝型ALPと骨型ALPの分離が不明瞭で,デンシトメトリの際,両者をどこで分画すべきなのかに苦慮したことや種々の異常バンドが検出され,その評価が困難であったためである.
特に後者にかかわることでは,小腸型ALPの出現とその評価がなぞであった.文献を調べてみると,その原因は,「血清中の小腸型ALPがBまたO型の血液型に依存して出現し,これらの血液型の人では,肝におけるクリアランスが遅いため」1)と説明されていた.
筆者はこれを確認するため,検査室内でBまたO型の血液型の友人数名から採血して,ALPアイソザイムの検査(アガロースゲル電気泳動法)をしたところ,ほとんどの例で小腸型ALPが検出されなかったことを記憶している.そのため,その当時の筆者は,小腸型ALPが血液型に依存することについて,稀な疾患などで起こる特別な現象と誤解していたところがあった.
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