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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻7号

2009年07月発行

文献概要

技術講座 生理

―臨床生理検査シリーズ・10―超音波検査―臨床編(循環器)

著者: 加賀早苗1 野塚久夫2

所属機関: 1北海道大学病院検査・輸血部 2北海道大学大学院保健科学研究院

ページ範囲:P.619 - P.626

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新しい知見

 壁運動評価は客観的定量化の方向へと進んでいる.近年開発されたスペックルトラッキング(speckle tracking)法は,心エコー画像の輝度パターンを時間的に近接するフレーム間で比較し,組織の動きを自動的に追跡するものである.心筋内の多数の部位で,その動きを追跡することにより,心筋の伸び縮みの程度を表すストレイン,心筋の伸び縮みの速度を表すストレインレートなどを,従来のドプラ法の欠点であった角度依存性の問題なしに計測することができ,その有用性が示されてきている.最近では,3次元スペックルトラッキング機能を搭載した超音波診断装置も登場し,心臓全体としての機能や局所心筋機能についての新たな知見が得られるものと期待される.

参考文献

1) Masuyama T, Kodama K, Kitabatake A, et al:Continuous-wave Doppler echocardiographic detection of pulmonary regurgitation and its application to noninvasive estimation of pulmonary artery pressure. Circulation 74:484-492,1986
2) Onozuka H, Mikami T, Kaga S, et al:Usefulness of left parasternal approach for the continuous-wave Doppler measurement of left ventricular outflow tract pressure gradient in patients with hypertrophic cardiomyopathy. J Echocardiogr 3:140-147,2005
3) Mikami T, Hashimoto M, Onozuka H, et al:Usefulness of the right parasternal approach for the evaluation of prosthetic mitral valve regurgitation by Doppler color flow imaging. Am J Noninvas Cardiol 7:113-118,1993
4) Oh JK, Seward JB, Tajik AJ:The echo manual (3rd edition). Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia,2006
5) 日本超音波検査学会(監):心臓超音波テキスト第2版.医歯薬出版,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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