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技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・4 甲状腺・副甲状腺系:2―サイロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),サイロキシン結合グロブリン(TBG)
著者: 内村英正1
所属機関: 1医療法人財団鎮目記念会鎮目記念クリニック・内分泌部
ページ範囲:P.627 - P.632
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甲状腺ホルモンの生成材料としてヨードは必須である.外界から食物として体内に取り入れられたヨードは,血中に入り甲状腺に取り込まれる(iodine uptake).このとき,ヨードは血中から甲状腺の濾胞細胞に電気化学的抵抗に抗して能動的(active transport)に取り込まれる.この機構の詳細は長らく不明であったが,この数年で明らかとなってきた.そこにはsodium-iodide sympoter(NIS)と呼ばれるナトリウム依存性の蛋白が関係しており,その分子構造や遺伝子解析も行われた.一方,濾胞細胞から濾胞へのヨードの移動にはペンドリン(pendrin)という蛋白が重要な働きをしていることも明らかになっている.
甲状腺ホルモンの生成材料としてヨードは必須である.外界から食物として体内に取り入れられたヨードは,血中に入り甲状腺に取り込まれる(iodine uptake).このとき,ヨードは血中から甲状腺の濾胞細胞に電気化学的抵抗に抗して能動的(active transport)に取り込まれる.この機構の詳細は長らく不明であったが,この数年で明らかとなってきた.そこにはsodium-iodide sympoter(NIS)と呼ばれるナトリウム依存性の蛋白が関係しており,その分子構造や遺伝子解析も行われた.一方,濾胞細胞から濾胞へのヨードの移動にはペンドリン(pendrin)という蛋白が重要な働きをしていることも明らかになっている.
参考文献
1) Braverman LE, Utiger RD (eds):Werner & Ingbar's The Thyroid. A fundamental and Clinical Text. 9th ed. Lippincott Williams & Wilkins Co, New York,2005
2) 内村英正:甲状腺ホルモンの代謝 甲状腺ホルモン結合蛋白.井村裕夫,高久史麿,長瀧重信,他(編):最新内科学体系 第13巻 甲状腺疾患(内分泌疾患2),中山書店,pp35-44,1993
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