icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻7号

2009年07月発行

文献概要

目指せ!一般検査の精度向上

―尿沈渣検査の精度向上:3―尿沈渣成分の鑑別―上皮細胞(扁平上皮細胞,移行上皮細胞,尿細管上皮細胞)

著者: 猪浦一人1

所属機関: 1埼玉県済生会栗橋病院臨床検査科

ページ範囲:P.648 - P.652

文献購入ページに移動
はじめに

 ヒトの表皮・粘膜を覆う上皮細胞には,扁平上皮細胞,移行上皮細胞,立方上皮細胞,円柱上皮細胞の4種類が存在する.臨床検体でこの4種類すべてがみられる検体は尿検体のみである.

 上皮細胞のうち,扁平上皮細胞,移行上皮細胞は尿路組織で層を成しており,表層部と深層部の細胞では形態が異なる.尿細管上皮細胞は単層だが,近位尿細管,遠位尿細管など部位によって形態が異なる.これら上皮細胞は,炎症,結石,管腔の閉塞・拡張など,さまざまな条件で形態に変化を示すことがあり鑑別に苦慮することも多々ある.本稿では尿沈渣検査で遭遇する機会の多い,扁平上皮細胞,移行上皮細胞,尿細管上皮細胞の正常細胞の特徴,鑑別点,出現パターンについて解説する.

参考文献

1) 日本臨床衛生検査技師会(編):尿沈渣検査法2000.日本臨床衛生検査技師会,2000
2) 野崎司,伊藤機一:イラストでみる尿検査結果の考え方 尿沈渣検査上皮細胞.油野友二,伊藤機一(編):Medical Technology別冊 カラー版 尿沈渣検査症例アトラス.医歯薬出版,pp40-48,2000
3) 八木靖二:アトラス尿沈渣の実際 上皮細胞類.伊藤機一,野崎司(編):Medical Technology別冊 新・カラーアトラス 尿検査.医歯薬出版,pp86-97,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?