icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻7号

2009年07月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈一般〉

髄液検査の実際―後編

著者: 三村邦裕1

所属機関: 1千葉科学大学危機管理学部環境安全システム学科臨床検査学コース

ページ範囲:P.658 - P.661

文献購入ページに移動
細胞数の算定と細胞の分類

 1 . 細胞数の算定法

 髄液中の細胞は採取後に沈殿しやすく,また融解しやすいので,なるべく速やかに(3時間以内)に検査する.

 マイクロピペットを用いて被検髄液180μlとサムソン(Samson)液〔またはパッペンハイム(Pappenheim)液〕20μl(9:1)を混和する.フックス・ローゼンタール(Fuchs-Rosenthal)計算板を用い,顕微鏡の倍率200倍(対物レンズ×接眼レンズ=20×10)でその全区画内(16区画)の有核細胞数を数え,これをxとすると,1μl中の細胞数=x/3.2×10/9≒x/3〔3.2=計算室の容積(μl)=縦4mm×横4mm×深さ0.2mm〕となる.

 普通計算室内の細胞数xを数えたら,そのままx/3と分数で表現すればよい.これによってフックス・ローゼンタール計算板使用であることもわかる.最近ではフックス・ローゼンタール計算板の代わりにディスポーザブルタイプ(C-Chip:inCYTO社)の計算板が使用されるようになった.使い捨てのため感染対策に有用である.

参考文献

1) 三村邦裕:髄液の検査.濱崎直孝,高木康(編):臨床検査の正しい仕方.宇宙堂八木書店,pp22-26,2008
2) 三村邦裕,鈴木敏恵,宿谷賢一,他:臨床検査学講座 臨床検査総論,第2版.医歯薬出版,2009
3) 狩野有作:髄液.臨床化学的検査.Medical Technology 33:1442-1450,2005
4) 太田喜孝:標準化のための髄液一般検査.臨床病理レビュー 140:65-71,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?