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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻7号

2009年07月発行

文献概要

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脂質異常症の診療ガイドライン

著者: 木下誠1

所属機関: 1帝京大学医学部内科

ページ範囲:P.675 - P.677

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はじめに

 筆者が医師になった頃(1980年頃)は,高脂血症が虚血性心疾患を起こすと言っても,循環器専門の先生からは全く信用してもらえなかった.ある御高名な先生からは,「コレステロールが高い患者で心筋梗塞を起こした患者なんかみたことがない」とさえ言われたことがある.現在,コレステロールが心筋梗塞の最も強い危険因子であることが広く認識されていることを考えると,隔世の感がある.

 十数年前から高脂血症〔高コレステロール血症,高トリグリセライド(trigriceride,TG)血症,低HDLコレステロール(high density lipoprotein cholesterol,HDL-C)血症〕が動脈硬化症の危険因子であることが広く認められるようになってきた.この病態を把握し,最終的に動脈硬化症を予防することを目的とした“動脈硬化性疾患予防ガイドライン”が2007年に発表された1)

参考文献

1) 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版,協和企画,2008
2) Nakamura Y, Yamamoto T, Okamura T, et al;The NIPPON DATA 80 Research Group:Combined cardiovascular risk factors and outcome:NIPPON DATA80, 1980-1994. Circ J 70:960-964,2006
3) Okamura T, Tanaka H, Miyamatsu N, et al:The relationship between serum total cholesterol and all-cause or cause-specific mortality in a 17.3-year study of a Japanese cohort. Atherosclerosis 190:216-233,2007
4) Kitamura A, Iso H, Naito Y, et al:High-density lipoprotein cholesterol and premature coronary heart disease in urban Japanese men. Circulation 89:2533-2539,1994
5) Iso H, Naito Y, Sato S, et al:Serum triglycerides and risk of coronary heart disease among Japanese men and women. Am J Epidemiol 153:490-499,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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