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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻8号

2009年08月発行

文献概要

技術講座 生化学

―ホルモンの測定シリーズ・5 甲状腺・副甲状腺系:3―甲状腺刺激ホルモンレセプター抗体

著者: 村上正巳1

所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科臨床検査医学

ページ範囲:P.709 - P.713

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新しい知見

 甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone,TSH)レセプター抗体(TSH receptor antibody,TRAb)の測定法は,可溶化TSHレセプターに対する標識TSHと血清中の自己抗体の競合反応を測定原理とする1ステップの液相法(第一世代)にはじまり,固相化したTSHレセプターに対する標識TSHと,血清中の自己抗体の競合反応による2ステップの固相法(第二世代)では干渉物質の影響が回避されて測定感度が向上した.近年,抗TSHレセプターヒトモノクローナル抗体(M22)が作製され,標識TSHの代わりにM22を用いた第三世代のTRAb測定法が開発され,測定感度がさらに向上した.第二世代までのTRAb測定法では,必要な感度を得るためには数時間の測定時間を必要とし測定の自動化は困難であったが,第三世代のTRAb測定法では,測定時間が短縮されて自動化が可能となった.

参考文献

1) 村上正巳:抗TSHレセプター抗体の読み方・使い方.Medical Practice 19:253-256,2002
2) 村上正巳:甲状腺関連自己抗体―測定法の進歩.内分泌・糖尿病科 22:632-639,2006
3) 村上正巳:Euthyroid Graves' diseaseとhypothyroid Graves' disease.伴良雄(編):よくわかる甲状腺疾患のすべて.永井書店,pp103-108,2003
4) 日本甲状腺学会:甲状腺疾患診断ガイドライン(第7次案).甲状腺学会ホームページ(http://thyroid.umin.ac.jp/flame.html)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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