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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻8号

2009年08月発行

文献概要

ワンポイントアドバイス

結石を繰り返す患者における尿沈渣(DHA結晶)

著者: 木村由1 原章規2 堀田宏2 和田隆志2

所属機関: 1白山石川医療企業団公立つるぎ病院臨床検査室 2金沢大学附属病院検査部

ページ範囲:P.728 - P.729

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はじめに

 再発率の高い尿路結石症の診断において,尿沈渣中の結晶は重要である.結石の主な構成成分は,日本臨床検査標準協議会(Japanese committee for clinical laboratory standards,JCCLS)尿沈渣法で通常結晶とされるシュウ酸カルシウム,リン酸アンモニウムマグネシウム,尿酸などであるが,先天性疾患の代謝異常で生じる異常結晶は,結石を生じる危険性が高いため特に注意しなければならない.しかし,異常結晶には通常結晶との鑑別が難しい結晶がある.このうち,尿酸塩は異常結晶の2,8-ジヒドロキシアデニン(2,8-dihydroxyadenine,DHA)結晶とよく似た形態を呈するため注意を要する.

 DHA結晶は,先天性疾患であるアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(adenine phosphoribosyltransferase,APRT)欠損症の尿沈渣中に認められる.DHA結晶は難溶性で腎毒性が強く,尿路結石症をきたし,腎不全に至る場合がある.

参考文献

1) 稲垣勇夫,清島満:アトラス尿沈渣の実際 結晶・塩類.伊藤機一,野崎司(編):Medical Technology別冊 新・カラーアトラス尿沈渣.医歯薬出版,pp111-118,2004
2) 谷口敦夫:APRT欠損症によるプリン代謝異常.日本臨牀 66:784-787,2008
3) 谷口敦夫:アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症.別冊日本臨牀 領域別症候群18先天代謝異常症候群(上).日本臨牀社,pp464-466,1998
4) 八木澤隆,東間紘:2,8-ジヒドロキシアデニン結石症.別冊日本臨牀 領域別症候群18先天代謝異常症候群(上).日本臨牀社,pp467-469,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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