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文献詳細

雑誌文献

検査と技術37巻9号

2009年09月発行

文献概要

トピックス

ヘモビジランス(血液安全監視体制)とは

著者: 浜口功1

所属機関: 1国立感染症研究所血液・安全性研究部

ページ範囲:P.864 - P.866

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はじめに

 ヘモビジランス(haemovigilance:血液安全監視体制)はもともとファーマコビジランス(pharmacovigilance)という薬剤の副作用のモニタリングから出てきた言葉であり,血液製剤も薬剤と同様にその副作用をモニタリングするべきという考え方に基づいている.ヘモビジランスで取り扱う血液製剤は原料がヒトの血液であり,ウイルスの安全性の観点からも,特段の注意を払う必要がある.また輸血を受ける側だけでなく,血液を提供する供血者側の安全性,特に採血の際の問題まで含めた監視体制が必要になる.さらには輸血用バッグなど,血液本体以外の品質保持にかかわる問題もモニターするような動きも含まれるようになってきている.

 このように,採血から輸血までの一連の過程を監視することでより安全な輸血医療に貢献することが可能となる.すなわちヘモビジランス(血液安全監視体制)は“献血者の選択から患者の追跡調査に至るまでの輸血の全過程を前向きに監視することによって,有害および未知の事象を検出し,その原因を分析・評価し,必要な対応策を示しあるいは事前に警告を発するなどによって有害事象の再発および被害の拡大を防ぐこと”と定義できる.

参考文献

1) 田山達也:世界のヘモビジランス事情.血液製剤調査機構だより No71:6-9,2004
2) 厚生労働省医薬食品局血液対策課:平成20年度 液事業報告,2008
3) 高本滋:免疫学的輸血副作用の把握とその対応に関する研究.厚生労働科学研究費補助金 平成18年度報告書,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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