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技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・10 副腎系:3―血中・尿中カテコールアミン,尿中メタネフリン,ノルメタネフリン
著者: 磯部和正1
所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科
ページ範囲:P.17 - P.21
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カテコールアミン測定に関する新しい知見としては,数年前よりイムノアッセイ系が開発され,さらにキット化され普及してきたことが挙げられる.カテコールアミンは低分子であり良好な抗体を得にくかったが,アシル化メタネフリン抗体と化学反応を組み合わせて測定系を作り上げている.微量サンプルの測定に適している.また,高額な分析機器が不要であり,同時測定が可能な利点がある.血中遊離メタネフリン測定の褐色細胞腫診断における有用性が認識され欧米において普及してきたことも特筆すべきことである.これは遊離メタネフリンが腫瘍組織において産生され持続的に放出されるためその診断感度が高いことによる.残念ながらわが国においてその測定は普及しておらず,現状では測定キットを海外より輸入して自前で測定する以外にない.カテコールアミンをメンタルヘルスのマーカーと捉え,高感度簡便に測定する“メンタルヘルスチップ”の研究開発が産業技術研究所の福田伸子先生らのグループにより行われている.
カテコールアミン測定に関する新しい知見としては,数年前よりイムノアッセイ系が開発され,さらにキット化され普及してきたことが挙げられる.カテコールアミンは低分子であり良好な抗体を得にくかったが,アシル化メタネフリン抗体と化学反応を組み合わせて測定系を作り上げている.微量サンプルの測定に適している.また,高額な分析機器が不要であり,同時測定が可能な利点がある.血中遊離メタネフリン測定の褐色細胞腫診断における有用性が認識され欧米において普及してきたことも特筆すべきことである.これは遊離メタネフリンが腫瘍組織において産生され持続的に放出されるためその診断感度が高いことによる.残念ながらわが国においてその測定は普及しておらず,現状では測定キットを海外より輸入して自前で測定する以外にない.カテコールアミンをメンタルヘルスのマーカーと捉え,高感度簡便に測定する“メンタルヘルスチップ”の研究開発が産業技術研究所の福田伸子先生らのグループにより行われている.
参考文献
1) Murphy JF, Davies DH, Smith CJ:The development of enzyme-linked immunosorbent assays (ELISA) for the catecholamines adrenaline and noradrenaline. J Immunol Methods 154:89-98,1992
2) Unger N, Pitt C, Schmidt IL, et al:Diagnostic value of various biochemical parameters for the diagnosis of pheochromoytoma in patients with adrenal mass. Eur J Endocrinol 154:409-417,2006
3) Eisenhofer G, Lenders JW, Pacak K:Biochemical diagnosis of pheochromocytoma. Front Horm Res 31:76-106,2004
4) 磯部和正,中井利昭:カテコールアミン.臨床スポーツ医学 21:386-388,2004
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