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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻1号

2010年01月発行

けんさ質問箱

乳腺穿刺吸引細胞診における「検体不適正」の見きわめ方は?

著者: 松原美幸1 土屋眞一1

所属機関: 1日本医科大学付属病院病理部

ページ範囲:P.67 - P.70

文献概要

Q.乳腺穿刺吸引細胞診における「検体不適正」の見きわめ方は?

 乳腺の穿刺吸引細胞診における検体不良の見きわめ方を教えてください.(東京都 S.T.生)

 

A.松原美幸・土屋眞一


はじめに

 近年,乳癌罹患者数は急増しており,それに呼応するように乳腺穿刺吸引細胞診症例も増加の一途を辿っている.このような状況下で,臨床側から提出される細胞診標本に対する“適否”が常に問題となってきた.これに関して一応の収束を与えたのが,乳癌取扱い規約第15版(2004年6月刊行)の『細胞診の報告様式』で,その判定区分の一つとして「検体不適正」の項目が設けられたことである.2008年に発刊された第16版の乳癌取扱い規約1)にも引き続きこの報告様式が継承されていることから,現在では細胞診従事者間のコンセンサスがある程度得られてきたものと解される.

 今回の質問は検体不良の見きわめ方であるが,ここでは乳癌取扱い規約の『細胞診の報告様式』による「検体不適正」の見きわめ方として,まず「検体不適正」の定義と現時点での問題点を整理し,筆者らの行っている対策などを概説したい.

参考文献

1) 土屋眞一,秋山太,井内康輝,他:細胞診および針生検の報告様式.日本乳癌学会(編):臨床・病理 乳癌取扱い規約,第16版.金原出版,pp64-74,2008
2) 葉山綾子,佐竹あかね,土屋眞一,他:乳腺穿刺細胞診報告様式の検討(2)―検体不適正について―.日本臨床細胞学会雑誌 45(Suppl2):414,2006
3) 土屋眞一,越川卓:穿刺吸引細胞診の新しい報告様式―乳腺と甲状腺―.病理と臨床 23:642-646,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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