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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 II 自己免疫

1 自己抗体とは―抗核抗体測定法の比較

著者: 髙崎芳成1

所属機関: 1順天堂大学医学部膠原病内科

ページ範囲:P.812 - P.817

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はじめに

 自己の細胞や組織に対する抗体,すなわち自己抗体のなかでも有核細胞の核成分に対する自己抗体である抗核抗体(anti-nuclear antibody,ANA)は,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus,SLE)をはじめとする膠原病患者で高率に検出される1,2).ANAには特定の疾患や病像と相関するものも多く,診断や予後の予測に有用な情報を提供する.また,抗体価と疾患の活動性に相関が認められるものもあり,活動性の評価や治療の指標としても有用で,日常診療の場で重要な位置を占めている1,2).一連の抗体を検出するには多くの方法があるが,それぞれの検査には特徴があり,目的に応じて適切な方法を選択し,検査を進める必要がある.また,その結果の解釈を的確に行うためには,個々の検出方法や抗体の特性を理解することが求められる.

 本稿では各ANAの特性やそれらの検出方法について解説し,日常診療の場で活用する留意点について考察する.

参考文献

1) 高崎芳成:抗核抗体.日内会誌96:2124-2131,2007
2) 高崎芳成:自己抗体とその臨床的意義.菊地浩吉,矢田純一,奥村康(編):Annual Review免疫 1992.中外医学社,pp266-277,1992
3) Murakami A, Kojima K, Takasaki Y, et al:A new conformational epitope generated by the binding of recombinant 70-kd and U1 RNA to anti-U1 RNP autoantibodies in sers from patients with mixed connective tissue disaese. Arthritis Rheum46:3273-3282,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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