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増刊号 免疫反応と臨床検査2010 IV 感染症 D 真菌感染症の免疫学的検査
真菌感染症の免疫学的検査
著者: 亀井克彦1
所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野
ページ範囲:P.890 - P.892
文献購入ページに移動カンジダ症における免疫学的検査(表1)
カンジダ症の原因菌はCandida albicansを最多とし,他にC. tropicalis,C. glabrata,C. parapsilosis,C. kruseiなどが挙げられるが,近年ではそのなかでもC. tropicalis,C. glabrataなどC. albicans以外のカンジダによる重症感染症が増加している.血清診断法としては主に抗原検出法が用いられ,現在4種類(ユニメディ®「カンジダ」,シカ ファンギテスト カンジダ,プラテリア®カンジダAg,カンジテック®)が利用可能である.
いずれも主にカンジダのもつ細胞壁マンナン(mannan)あるいはその複合体を特異抗体により検出する.ユニメディ®およびシカファンギはともに優れた方法で勧められるが,C. albicansのマンナン抗原を用いているため,交差抗原性の低い菌種(C. krusei,C. glabrataなど)では感度がやや低めになる.プラテリア®では全体的に感度が低めだがnon-albicans感染症における感度はさらに低くなる.カンジテック®は最も早く開発された製品で,比較的高感度であるが,特異度に難があるため用いられなくなってきている.また,免疫学的検査ではないが,本症では(1→3)-β-D-グルカン測定も有意義である.
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