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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 IV 感染症 D 真菌感染症の免疫学的検査

真菌感染症の免疫学的検査

著者: 亀井克彦1

所属機関: 1千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野

ページ範囲:P.890 - P.892

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1 カンジダ症1)

カンジダ症における免疫学的検査(表1)

 カンジダ症の原因菌はCandida albicansを最多とし,他にC. tropicalis,C. glabrata,C. parapsilosis,C. kruseiなどが挙げられるが,近年ではそのなかでもC. tropicalis,C. glabrataなどC. albicans以外のカンジダによる重症感染症が増加している.血清診断法としては主に抗原検出法が用いられ,現在4種類(ユニメディ®「カンジダ」,シカ ファンギテスト カンジダ,プラテリア®カンジダAg,カンジテック®)が利用可能である.

 いずれも主にカンジダのもつ細胞壁マンナン(mannan)あるいはその複合体を特異抗体により検出する.ユニメディ®およびシカファンギはともに優れた方法で勧められるが,C. albicansのマンナン抗原を用いているため,交差抗原性の低い菌種(C. krusei,C. glabrataなど)では感度がやや低めになる.プラテリア®では全体的に感度が低めだがnon-albicans感染症における感度はさらに低くなる.カンジテック®は最も早く開発された製品で,比較的高感度であるが,特異度に難があるため用いられなくなってきている.また,免疫学的検査ではないが,本症では(1→3)-β-D-グルカン測定も有意義である.

参考文献

1) 吉田耕一郎,二木芳人,宮下修行,他:ELISAを用いたカンジダマンナン抗原検出キットの臨床的有用性の検討.感染症誌76:536-541,2002
2) 堀口祐司:侵襲性アスペルギルス症の早期診断におけるβ-グルカン測定およびガラクトマンナン抗原測定法の有用性.感染症学雑誌78:566-573,2004
3) 道津安正,石松祐二,高谷洋,他:肺クリプトコッカス症16例の臨床的検討―血清クリプトコッカス抗原価の推移に着目して.感染症学雑誌79:656-663,2005
4) 時松一成,辛島礼子,山形英司,他:今後,注目すべき深在性真菌症―トリコスポロン症の病態と感染制御.真菌誌44:181-186,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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