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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

増刊号 免疫反応と臨床検査2010

V 生化学 A 血漿蛋白

2 免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM)

著者: 山田俊幸1

所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学講座

ページ範囲:P.902 - P.904

文献概要

免疫グロブリンとは

 免疫グロブリン(immunoglobulin,Ig)はB細胞と,B細胞が成熟して主に骨髄に定着した細胞である形質細胞から産生される.免疫グロブリンは生体防御のシステムにおいて抗体として機能する蛋白質である.IgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5種類のクラスがあり,血中ではIgG,IgA,IgMの濃度が高い.基本構造は2本の重(H)鎖と2本の軽(L)鎖からなり,H鎖の抗原性が免疫グロブリンクラスを決め,L鎖はκ鎖かλ鎖のどちらか一方がその免疫グロブリン分子を構成する.

 IgGは補体を活性化する,食細胞に結合して抗体依存性細胞障害を起こす,胎盤を通過して母子間免疫に関与するなど多彩な機能を示す.IgAは粘膜面に分泌されて局所で感染を防御する,補体の第2経路を活性化するなどの機能を示す.なお,粘膜面に分泌されるものは二量体となっている.IgMは五量体の高分子構造で,異物に対して最初に産生される抗体として機能する.また,補体活性化能も有する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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