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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 V 生化学 E 腫瘍マーカーの現状

腫瘍マーカーの現状

著者: 松尾収二1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部

ページ範囲:P.921 - P.925

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腫瘍マーカーとは

 腫瘍マーカーの歴史は1848年の多発性骨髄腫患者におけるBence-Jones proteinの発見に始まり,1963年のAbelevらによるαフェトプロテイン(α-fetoprotein,AFP),1965年のGoldらによる癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen,CEA)の発見へと続いた.腫瘍マーカーは,表1に示したごとく,癌胎児性蛋白,癌関連抗原,腫瘍・生体組織産生物質,癌関連遺伝子産生物質,腫瘍産生ホルモン,逸脱酵素など多岐に及ぶが,狭義に腫瘍マーカーといえば,悪性腫瘍に高い特異性を有する物質として登場した,癌胎児性蛋白,癌関連抗原,腫瘍・生体組織産生物質,癌関連遺伝子産生物質およびホルモンの中のガストリン放出ペプチド前駆体(gastrin-releasing peptide precursor,ProGRP)といったマーカーを指す.

 狭義の腫瘍マーカーは本特集のテーマである免疫反応を利用した検査で,しかもモノクローナル抗体を用いた微量測定法で検査される.この検査法の発達は診療における腫瘍マーカーの価値を著しく引き上げた.

参考文献

1) 大竹皓子:免疫血清反応検査から精密測定法への変遷―感染症および腫瘍マーカを中心に―.医学検査48:927-935,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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