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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VI 血液 A 血球

2 細胞表面マーカー(白血病のフェノタイピング)

著者: 池本敏行1

所属機関: 1大阪医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.948 - P.953

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細胞表面マーカーとは

 細胞表面マーカー(以下,表面マーカー)とは,造血器腫瘍(白血病)細胞の起源や細胞系列を同定するために測定される表面抗原のことであり,モノクローナル抗体(monoclonal antibody,mAb)やポリクローナル抗体を用いた抗原抗体反応によって検出することから,この解析は免疫学的表現型解析(immunophenotyping)とも呼ばれる.表面マーカー解析の対象となる抗原は腫瘍細胞に特異的なものでなく,正常な血球の分化過程で発現したり消失したりする抗原で,細胞表面に限らず細胞質内や核内にも存在する.したがって,造血器腫瘍の細胞系列や分化段階は正常細胞の表面マーカーとの対比から推測される.

 表面マーカーは,幹細胞マーカー(CD34,CD117など),骨髄・単球系マーカー,赤芽球系マーカー(CD71,CD235aなど),血小板系マーカーおよびリンパ球系マーカーに大別される.これらのマーカーの多くはCD(cluster of differentiation)番号が付けられているが,この番号自体に意味はなく,国際的な委員会で認定された順番であり,分化抗原のみならずサイトカインレセプターなどにもCD番号が付けられている.

参考文献

1) 日本臨床検査標準協議会血液検査標準化検討委員会フローサイトメトリーワーキンググループ:フローサイトメトリーによる造血器腫瘍細胞表面抗原検査に関するガイドライン(JCCLS H2-P V1.0).日本臨床検査標準協議会会誌18:69-107,2003
2) 出口隆生,駒田美弘:小児白血病における免疫学的診断標準化への取り組み.Cytometry Res16:11-18,2006
3) Wood BL, Arroz M, Bamett D, et al:2006 Bethesda international consensus recommendations on the immunophenotypic analysis of hematolymphoidbneoplasma by flow cytometry;Optical reagents anf reporting for the flow cytometric diagnosis of hematopietic neoplasma. Cytometry B Clin Cytom72B:S14-S22,2007
4) Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et alu(eds):WHO Classification of Tumours of Haematopietic and Lymphoid Tissues. WHO, International Agency for Research on Cancer, Lyon,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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