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増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VI 血液 B 血栓・止血関連マーカー
3 抗リン脂質抗体
著者: 野島順三1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科生体情報検査学
ページ範囲:P.959 - P.961
文献購入ページに移動抗リン脂質抗体とは
抗リン脂質抗体とは,リン脂質に関連する自己抗体の総称であり,代表的なものとしては,酵素固相化免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay,ELISA)により定量される抗カルジオリピン抗体(anti-cardiolipin antibodies,aCL)および抗β2-グリコプロテインI抗体(anti-β2-glycoprotein I,aβ2GPI)と,リン脂質依存性凝固反応に対する阻害活性として検出されるループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant,LA)活性がある.抗リン脂質抗体の出現は,脳梗塞・深部静脈血栓症・肺塞栓症などの血栓塞栓性疾患や習慣性流死産などの妊娠合併症を引き起こす病因となることが知られており,そのような患者を抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid syndrome,APS)と称する.
現在,APSの診断には2006年に改変されたAPS診断基準が有用である(表).臨床所見として画像検査または病理所見で診断された動脈・静脈血栓塞栓症や妊娠合併症が認められ,かつ検査所見として①aCL,②aβ2GPI,③LA活性のいずれかが,12週間以上の間隔をあけて2度以上確認された場合にAPSと診断される.
抗リン脂質抗体とは,リン脂質に関連する自己抗体の総称であり,代表的なものとしては,酵素固相化免疫測定法(enzyme-linked immunosorbent assay,ELISA)により定量される抗カルジオリピン抗体(anti-cardiolipin antibodies,aCL)および抗β2-グリコプロテインI抗体(anti-β2-glycoprotein I,aβ2GPI)と,リン脂質依存性凝固反応に対する阻害活性として検出されるループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant,LA)活性がある.抗リン脂質抗体の出現は,脳梗塞・深部静脈血栓症・肺塞栓症などの血栓塞栓性疾患や習慣性流死産などの妊娠合併症を引き起こす病因となることが知られており,そのような患者を抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid syndrome,APS)と称する.
現在,APSの診断には2006年に改変されたAPS診断基準が有用である(表).臨床所見として画像検査または病理所見で診断された動脈・静脈血栓塞栓症や妊娠合併症が認められ,かつ検査所見として①aCL,②aβ2GPI,③LA活性のいずれかが,12週間以上の間隔をあけて2度以上確認された場合にAPSと診断される.
参考文献
1) 渥美達也:抗リン脂質抗体症候群の診断.日本血栓止血学会誌19:329-332,2008
2) 家子正裕,内藤澄悦,吉田美香:抗リン脂質抗体症候群における診断的臨床検査であるループスアンチコアグラントの検出方法としてのクロスミキシングテスト(交差混合試験).臨床病理57:990-998,2009
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