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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VI 血液 B 血栓・止血関連マーカー

5 線溶マーカー

著者: 朝倉英策1 林朋恵2

所属機関: 1金沢大学附属病院高密度無菌治療部 2金沢大学附属病院血液内科

ページ範囲:P.966 - P.968

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線溶マーカーとは

 組織因子(tissue factor,TF)の作用によって凝固活性化を生じると,最終的にトロンビンが形成される.トロンビンがフィブリノゲンに作用すると,フィブリノゲンはフィブリンに転換して,さらにフィブリンが重合すると血栓が形成される.この重合されたフィブリンを安定化するために,血液凝固第XIII因子による架橋結合(cross-link)が行われる.これに対して,形成された血栓を溶解しようとする働きのことを線溶(fibrinolysis)という.

 線溶が開始されるためには,血管内皮からの組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator,t-PA)産生が必要である.t-PAはプラスミノゲン(肝で産生)をプラスミンに転換し,プラスミンは血栓(架橋化フィブリン)を分解する.血栓が分解された際に生ずる分解産物のことをフィブリン/フィブリノゲン分解産物(fibrin/fibrinogen degradation product,FDP)〔Dダイマー(D dimer)〕という(図).t-PAおよびプラスミノゲンはフィブリン親和性が高く,フィブリン上で能率よく線溶が進行する.

参考文献

1) 金沢大学 血液内科・呼吸器内科:血液・呼吸器内科のお役立ち情報(血液凝固検査入門〈図解シリーズ〉).http://www.3nai.jp/weblog/entry/28676.html
2) 金沢大学 血液内科・呼吸器内科:血液・呼吸器内科のお役立ち情報(播種性血管内凝固症候群(DIC)〈図解シリーズ〉).http://www.3nai.jp/weblog/entry/24539.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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