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増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VII 一般
2 妊娠反応
著者: 伊瀬恵子1 澤部祐司1 野村文夫1
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.978 - P.980
文献購入ページに移動妊娠反応は,尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin,hCG)を検出する検査である.hCGは受精により発育中の胎盤絨毛シンシチウム細胞から分泌され,α鎖とβ鎖の二つのサブユニットの非共有結合により形成される分子量38,000の糖蛋白ホルモンである.母体尿中のhCGは妊娠のごく初期から産生され,4週後半には50IU/l程度になる.10週前後でピーク(100,000~500,000IU/l)になり,その後,漸減し分娩1~2週間で消失する1~3)(図1).
主な妊娠反応の測定原理は,βサブユニットの四つのエピトープ(epitope:抗体が認識する抗原決定基)のうちβ-hCGに反応する金コロイド標識β-hCGモノクローナル抗体を使ったサンドイッチ法で,判定にはイムノクロマト法が用いられている(図2).
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