icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VII 一般

2 妊娠反応

著者: 伊瀬恵子1 澤部祐司1 野村文夫1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.978 - P.980

文献購入ページに移動
妊娠反応とは

 妊娠反応は,尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin,hCG)を検出する検査である.hCGは受精により発育中の胎盤絨毛シンシチウム細胞から分泌され,α鎖とβ鎖の二つのサブユニットの非共有結合により形成される分子量38,000の糖蛋白ホルモンである.母体尿中のhCGは妊娠のごく初期から産生され,4週後半には50IU/l程度になる.10週前後でピーク(100,000~500,000IU/l)になり,その後,漸減し分娩1~2週間で消失する1~3)(図1).

 主な妊娠反応の測定原理は,βサブユニットの四つのエピトープ(epitope:抗体が認識する抗原決定基)のうちβ-hCGに反応する金コロイド標識β-hCGモノクローナル抗体を使ったサンドイッチ法で,判定にはイムノクロマト法が用いられている(図2).

参考文献

1) 谷澤修:産婦人科臨床におけるホルモン測定の意義.日産婦会誌40:1073-1078,1988
2) 芝紀代子:POC機器の適正運用―セルフチェックにおけるOTC検査―妊娠検査薬.臨床病理レビュー138:145-150,2007
3) 平井規行:産科領域のホルモン検査.Medical Technology35:609-610,2007
4) 伊藤機一,高橋勝幸:ポケットマニュアル一般検査.羊土社,2009
5) 望月照次:妊娠反応.Medical Technology26:30-31,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?