文献詳細
文献概要
増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VII 一般
3 寄生虫検査
著者: 赤尾信明1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際環境寄生虫病学分野
ページ範囲:P.981 - P.984
文献購入ページに移動寄生虫感染による生体の免疫反応の特徴
異物である寄生虫が生体に侵入したときに起きる免疫現象は非常に複雑であり,侵入した寄生虫の排除あるいは防御免疫応答の全貌が完全に解明されているわけではない.しかし,一般的に腸管内あるいは組織内寄生蠕虫類の感染では,宿主のTh2応答の結果として起きるIgE抗体の産生や末梢血好酸球増多がみられる.一方,単細胞の寄生虫である原虫類の感染ではTh1細胞が誘導され,インターフェロンγ(interferon-γ,IFNγ)産生を介してマクロファージが活性化し,原虫感染に対する防御反応を発揮する.また,寄生虫の種類だけではなく,寄生部位や感染時期,宿主の遺伝的背景の相違によっても生体の示す免疫反応は異なってくる.
異物である寄生虫が生体に侵入したときに起きる免疫現象は非常に複雑であり,侵入した寄生虫の排除あるいは防御免疫応答の全貌が完全に解明されているわけではない.しかし,一般的に腸管内あるいは組織内寄生蠕虫類の感染では,宿主のTh2応答の結果として起きるIgE抗体の産生や末梢血好酸球増多がみられる.一方,単細胞の寄生虫である原虫類の感染ではTh1細胞が誘導され,インターフェロンγ(interferon-γ,IFNγ)産生を介してマクロファージが活性化し,原虫感染に対する防御反応を発揮する.また,寄生虫の種類だけではなく,寄生部位や感染時期,宿主の遺伝的背景の相違によっても生体の示す免疫反応は異なってくる.
参考文献
1) Yamasaki H, Allan JC, Sato MO, et al:DNA differential diagnosis of taeniasis and cysticercosis by multiplex PCR. J Clin Microbiol42:548-553,2004
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