文献詳細
文献概要
増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VIII 病理・細胞診
4 子宮頸癌
著者: 佐伯春美1 石和久1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属浦安病院臨床病理科
ページ範囲:P.1009 - P.1011
文献購入ページに移動子宮頸癌とは
子宮頸癌はわが国では現在,女性生殖器癌で最も頻度が高く,年間約8,000人に発生し,約2,500人が亡くなっている.特に最近は20~30歳代で発生率が増加し,死亡率も若年層で急激に上昇している.通常型の子宮頸癌の原因はヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus,HPV)感染症によることが明らかとなっている.HPVは一生涯で一度は感染するといわれているが,通常90%以上は免疫応答により自然排出し,残りは持続感染して異形成,さらには子宮頸癌になると考えられている.異形成は軽度・中等度・高度異形成に分類され,高度異形成まで進むと上皮内癌および子宮頸癌(主に扁平上皮癌)に進展する1).
子宮頸癌は扁平上皮癌および腺癌,その他の上皮性腫瘍(腺扁平上皮癌,すりガラス細胞癌,腺様囊胞癌,腺様基底細胞癌,カルチノイド,小細胞癌,未分化癌)に分類される.これらの病理組織学的鑑別は,ヘマトキシリン・エオジン(hematoxylin-eosin,HE)染色にて行われることが通常であるが,時にHE染色のみでの診断が困難であり,免疫組織化学染色によって補助的に診断が行われる.また,子宮頸部には悪性リンパ腫もみられ,未分化癌との鑑別には免疫組織化学染色は有用である.
子宮頸癌はわが国では現在,女性生殖器癌で最も頻度が高く,年間約8,000人に発生し,約2,500人が亡くなっている.特に最近は20~30歳代で発生率が増加し,死亡率も若年層で急激に上昇している.通常型の子宮頸癌の原因はヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus,HPV)感染症によることが明らかとなっている.HPVは一生涯で一度は感染するといわれているが,通常90%以上は免疫応答により自然排出し,残りは持続感染して異形成,さらには子宮頸癌になると考えられている.異形成は軽度・中等度・高度異形成に分類され,高度異形成まで進むと上皮内癌および子宮頸癌(主に扁平上皮癌)に進展する1).
子宮頸癌は扁平上皮癌および腺癌,その他の上皮性腫瘍(腺扁平上皮癌,すりガラス細胞癌,腺様囊胞癌,腺様基底細胞癌,カルチノイド,小細胞癌,未分化癌)に分類される.これらの病理組織学的鑑別は,ヘマトキシリン・エオジン(hematoxylin-eosin,HE)染色にて行われることが通常であるが,時にHE染色のみでの診断が困難であり,免疫組織化学染色によって補助的に診断が行われる.また,子宮頸部には悪性リンパ腫もみられ,未分化癌との鑑別には免疫組織化学染色は有用である.
参考文献
1) 石和久,佐伯春美,橋爪茜:HPVと子宮頸がん―新しい子宮頸がん検診.母性衛生50:36-41,2009
2) 清川貴子,子宮頸部,向井清,他(編):外科病理学II.文光堂,pp1038-1052,2006
3) 清川貴子,濱田智美:子宮.病理と臨床128(臨増):127-133,2007
4) 堀越素子,喜納勝成,石和久,他:子宮頸部病変におけるヒトパピローマウイルスとp53,p21蛋白およびKi-67相互の関連性について.臨床病理53:494-498,2005
5) 齊藤啓,石和久,喜納勝成,他:子宮頸部病変におけるヒトパピローマウイルスとp53およびp21蛋白の発現の関連性について.臨床病理47:1177-1182,1999
6) Yoshida T, Sano T, Kanuma T, et al:Diagnostic usefulness of immunehistochemical p16 expression and HPV testing;Comparison between in thin layer Pap smear and tissue samples, Cancer Cytopathol102:100-108,2004
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