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増刊号 免疫反応と臨床検査2010 VIII 病理・細胞診
6 非上皮性腫瘍
著者: 長谷川匡1
所属機関: 1札幌医科大学医学部病理診断学
ページ範囲:P.1016 - P.1021
文献購入ページに移動 非上皮性腫瘍とは,骨組織に発生する骨腫瘍と上皮以外の間葉系組織と中枢神経以外の神経組織から発生する,あるいはこれらへ分化を示す軟部腫瘍とが含まれ,併せて骨・軟部腫瘍とも呼ばれる.現在,骨・軟部腫瘍の病理組織分類にはWorld Health Organization(WHO)による分類が広く用いられている1).骨・軟部腫瘍の診断は臨床経過,画像,病理形態を総合して行う.通常,診断に際して形態学的特徴が重視されるが,同じ特徴を示すものや細胞分化が不明な場合は免疫組織化学(immunohistochemistry,IHC)を行う.IHCの技術は進歩し,診断に有用な抗体が多く販売されているが,いまだに偽陽性または偽陰性が問題となっている.しかし,この注意点を常に考慮してIHCを行えば,日常診療に有効な手段となりうる.
本稿では非上皮性腫瘍におけるIHCについて解説し,その有用性が高い組織型をいくつか紹介する.
本稿では非上皮性腫瘍におけるIHCについて解説し,その有用性が高い組織型をいくつか紹介する.
参考文献
1) 長谷川匡:軟部腫瘍の病理組織分類―含:組織学的悪性度分類.越智隆弘,菊地臣一(編):NEW MOOK整形外科,No.18:骨・軟部腫瘍.金原出版,pp22-35,2005
2) 長谷川匡:GISTの予後因子.癌の臨床53:487-491,2007
3) 尾松睦子,長谷川匡:私の一推し免疫染色―PDGFR.検査と技術35:148-149,2007
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