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抗サイトカイン療法による免疫疾患の治療
著者: 亀田秀人1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部リウマチ内科
ページ範囲:P.915 - P.915
文献購入ページに移動 生物学的製剤,特に抗サイトカイン療法は,従来の低分子化合物と比較して非常に高い選択特異性と直接毒性の低さに基づき,十分量投与での画期的なリスク・ベネフィットバランスを可能にした.したがって,病態形成に中心的な役割を果たしている分子を標的とした究極の分子標的療法となり,“proof-of-concept”としての治療を実現した.主に点滴静注と皮下注射の製剤があり,現在わが国で市販されているのは腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor,TNF)とインターロイキン-6を標的とした製剤である.これらの製剤により,関節リウマチやクローン病をはじめとした多くの難治性免疫疾患患者において,寛解導入が実現可能となった.早期からの寛解導入により日常生活に全く支障を認めない患者が増えており,抗サイトカイン療法は数多くの疾患の治療体系にパラダイムシフトをもたらした.さらに,関節リウマチに対する抗TNF製剤では,少なからぬ患者に関節(特に骨)破壊の修復をもたらし,負(マイナス)の活動性という概念も導入されている.
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