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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

column

尿中Bence Jones蛋白

著者: 藤田清貴1

所属機関: 1千葉科学大学危機管理学部医療危機管理学科

ページ範囲:P.977 - P.977

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 Bence Jones蛋白(BJP)は,免疫グロブリンの遊離のL鎖が単一クローン性に出現したものであり,56~60℃の熱処理で混濁し,100℃付近で再溶解する特異な熱凝固性を示す.L鎖蛋白は免疫グロブリンに比較して分子量が小さいため(25,000~45,000)尿中に排泄される.BJPは多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症などの悪性M蛋白で検出される頻度が高い.また,L鎖沈着症(light chain deposition disease,LCDD)では,BJPが腎糸球体に沈着し,糸球体の結節性病変と蛋白尿,腎機能障害を惹起する.しかも,ほとんどのLCDD例でBJPの分子構造異常が確認される.

 尿中BJPの検出法としてPutnum法が用いられているが,この方法はBJPの等電点が酸性側に多いことから,尿を酸性(pH4.9)下で熱試験を行う.しかし,BJPの等電点には多様性があり,等電点がアルカリ性側の場合は陽性を示さないことが多い.特に,電気泳動で陰極側(slow-γ位)に移動度をもつBJPはこの性状を有するので注意が必要である.BJPの同定法としては免疫固定電気泳動法,免疫電気泳動法のような免疫学的な方法がより確実である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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