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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻10号

2010年09月発行

文献概要

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編集後記

著者: 曽根伸治

所属機関:

ページ範囲:P.1036 - P.1036

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 今年の増刊号をお届けする季節です.「検査と技術」増刊号は,毎年前年11月に編集委員会でテーマを検討して,最近の臨床検査の話題や進歩に合った内容を通常号と異なる体系に編集してお届けしています.

 本年のテーマは「免疫反応と臨床検査」で,臨床検査に広く利用される免疫反応の特集です.出来上がったこの増刊号を読んでみると基礎編の「イムノアッセイの変遷」では免疫反応がRIA法に始まり,現在の臨床検査に応用されてきた変遷や自動化で大量,迅速処理が可能になった検査法であることがわかります.イムノアッセイは,高感度化,微量化,短時間化さらに経済性の進歩が目覚ましく,マイクロチップ電気泳動,高感度な均一系アッセイのLOCI法,同時に多項目検査ができる機器などの最新の情報が得られます.また,救急の現場などでは簡便かつ迅速にベッドサイドで検査結果が出るPOCTや,イムノクロマトグラフィを用いた検査が実施されています.免疫反応では,検出感度,特異性や異常反応などがピットフォールになるので,その実例を挙げて問題点を解説しています.さらに疾病の診断・治療のためには,どの施設でどのメーカーの試薬で検査しても同じ結果で報告される必要があります.しかし,外部精度管理で明らかになるように免疫血清検査ではメーカー差,施設間差が多々みられます.われわれはこの免疫反応の長所,短所をよく理解して,臨床に正しい結果やコメントが報告できるように努力していきたものです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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