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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻11号

2010年10月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

薬物中毒検査

著者: 間瀬浩安1

所属機関: 1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科

ページ範囲:P.1085 - P.1088

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はじめに

 近年は同僚,上司,恋人や友人などの対人関係の悩み,就職難などストレスにより心の病を発症し精神科,心療内科やメンタルクリニックを受診する人が増えてきている.それらの患者は衝動的に病院で処方された薬や市販薬を一度に数十錠服薬することがある.またガーデニングの流行からホームセンターなどでは農薬が簡単に購入可能となり,それらを服毒してしまうこともある.薬・毒物を過量服用した場合のほとんどは,意識状態が悪くなった状態で家族や知人などに発見され救急センターへ搬送されることが多い.意識状態が悪い患者本人から服薬した薬や毒物の内容を聞き出すことは難しく,周囲の状況や発見者の申告に頼ることが多い.このようなときに処置・治療方針の決定上,服薬の種類や血中濃度を知ることは非常に有用である.そこで今回は薬物分析の注意点,精密検査および血中濃度経時変化などについて紹介する.

参考文献

1) 間瀬浩安:薬物分析 救命救急スタッフにすぐに役立つ検査データの取り方・読み方・使い方.EMERGENCY CARE 277:108-115,2009
2) Rumack BH, Matthew H:Acetaminophen Poisoning and Toxicity. Pediatrics 55:871-876,1975
3) Smilkstein MJ, Knapp GL, Kulig KW, et al:Efficacy of oral N-acetylcysteine in the treatment of acetaminophen overdose. Analysis of the national multicenter study (1976 to 1985). N Engl J Med 319:1557-1562,1988
4) Inoue S, Saito T, Suzuki Y, et al:Prognostic factors and toxicokinetics in acute fenitrothion self-poisoning requiring intensive care. Clinical Toxicology 46:528-533,2008
5) 吉岡敏治,郡山一明,植木真琴,他:「分析のあり方検討委員会」報告 薬物分析の指針に関する提言.中毒研究 12:437-441,1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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