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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻12号

2010年11月発行

文献概要

技術講座 生理

胎児心臓の一次スクリーニング

著者: 芳野奈美1 竹村秀雄2

所属機関: 1小阪産病院医療技術部超音波室 2小阪産病院

ページ範囲:P.1131 - P.1137

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新しい知見

 先天性心疾患は全出生児の1%と,他の先天異常のなかでも最も高率である.しかしその出生前診断率は四腔像に異常をきたす重症心疾患を中心に10~15%が発見される程度であり,他の疾患に比し著しく低率であった.生後早期にductal shockをきたす動脈管由来の心疾患は,出生前診断の有無が児の予後を大きく左右することから生前の早期発見が求められ,小児循環器専門医などによる働きかけも始まった.2004年に胎児心臓病研究会による胎児心エコー検査ガイドラインが作成され,レベル1では,専門医による精査だけでなくすべてのローリスク妊婦を対象とした一次スクリーニングの内容が示された.現在では地域ぐるみで一般産婦人科施設での胎児心臓スクリーニングが広がりつつあり,多忙な産婦人科医師に代わり超音波検査士による一次スクリーニングへの期待が高まってきている.

参考文献

1) 川滝元良:胎児心エコー診断へのアプローチ.メジカルビュー社,2004
2) 里見元義,川滝元良,西畠信,他:胎児心エコー検査ガイドライン.Pediatr Cardiol 22:591-613,2006
3) 与田仁志:胎児超音波―胎児の心臓はどうチェックする?(ガイドライン解説).超音波検査技術 32:631-644,2007
4) 前野泰樹:胎児心臓病スクリーニングのコツと落とし穴.日産婦誌 61:284-288,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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