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技術講座 生理
胎児心臓の一次スクリーニング
著者: 芳野奈美1 竹村秀雄2
所属機関: 1小阪産病院医療技術部超音波室 2小阪産病院
ページ範囲:P.1131 - P.1137
文献購入ページに移動先天性心疾患は全出生児の1%と,他の先天異常のなかでも最も高率である.しかしその出生前診断率は四腔像に異常をきたす重症心疾患を中心に10~15%が発見される程度であり,他の疾患に比し著しく低率であった.生後早期にductal shockをきたす動脈管由来の心疾患は,出生前診断の有無が児の予後を大きく左右することから生前の早期発見が求められ,小児循環器専門医などによる働きかけも始まった.2004年に胎児心臓病研究会による胎児心エコー検査ガイドラインが作成され,レベル1では,専門医による精査だけでなくすべてのローリスク妊婦を対象とした一次スクリーニングの内容が示された.現在では地域ぐるみで一般産婦人科施設での胎児心臓スクリーニングが広がりつつあり,多忙な産婦人科医師に代わり超音波検査士による一次スクリーニングへの期待が高まってきている.
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