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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻12号

2010年11月発行

文献概要

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あとがき

著者: 手島伸一

所属機関:

ページ範囲:P.1196 - P.1196

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 先日,某学会の一般演題(症例報告)の発表の準備をしていたところ,手伝ってくれていた中堅の技師がまじめな顔つきで「先生のお知り合いが学会長を主催されておられ,また御友人達が特別講演などをされておられるのに,先生はそんなにまでして対抗して目立ちたいのですか?」と突然質問してきました.質問の真意がつかめなかったので尋ねると,「先生の立場(検査科の長)では一般演題や症例報告をだすのはおかしい,そのような演題は若い未熟な者が出すものだ」,と考えているようです.私は苦笑してしまいました.「自分の一番尊敬する先生は80歳を超えても一般演題をだしていたよ.もっとも周囲には大きな迷惑をかけていたけれどもね.自分もできればそうなりたいものだ.皆もどんどん演題を出そう」と答えたところ,相手は「あきれた!」という顔をしていました.学会発表に限らず,一般に臨床検査技師のほうが医師よりも,若い年齢のうちから,日常業務のみに埋没してしまう傾向が強いように思われます.どのような職種や立場であっても,私たちは医療人であるかぎり,生涯勉強し,機会があれば,学会ほかで自分の考えを述べて,向上して行きたいものです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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