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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻13号

2010年12月発行

Laboratory Practice 〈生理〉

―症例から学ぶ呼吸機能評価⑥―呼吸不全

著者: 比嘉太1 藤田次郎1

所属機関: 1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科)

ページ範囲:P.1231 - P.1235

文献概要

呼吸不全の定義

 呼吸には外呼吸と内呼吸があり,外呼吸は肺換気による酸素と二酸化炭素との交換を指し,内呼吸とは細胞レベルでの酸素利用と二酸化炭素排出を指している.呼吸不全とは,細胞および組織での酸素利用障害とこれによる病態を意味するが,臨床的には外呼吸の障害によって低酸素血症がもたらされることとほぼ同義である.

 臨床的には,動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr(mmHg)以下の場合を呼吸不全と定義する.パルスオキシメータではSpO290%未満にほぼ相当する.動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が45Torr以下の場合をI型呼吸不全,PaCO2が45Torr超の場合をII型呼吸不全と分類する.PaO2が70Torr以下を準呼吸不全としている.

参考文献

ed. Saunders, Philadelphia,pp925-997,2000
2) 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会(編):呼吸機能検査ガイドラインII,メディカルレビュー社,2006
3) 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会(編):呼吸機能検査ガイドライン,メディカルレビュー社,2004
4) 宮城征四郎(監修),石原亨介,谷口博之,藤田次郎(編):呼吸器病レジデントマニュアル,第4版.医学書院,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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