icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻4号

2010年04月発行

文献概要

技術講座 生理

―ステップアップのための画像診断入門・2―胸部画像診断(胸部単純 X線撮影)②

著者: 西本優子1 東野貴徳1 野間恵之1

所属機関: 1天理よろづ相談所病院放射線診断部門

ページ範囲:P.253 - P.256

文献購入ページに移動
新しい知見

 胸部単純X線写真のデジタル化に伴い,新たな画像処理技術が開発され,臨床に用いられるようになっている.コンピュータ支援診断(computer aided diagnosis,CAD)は,画像情報から臨床的に有用性の高い特徴量を抽出し,コンピュータで解析を行い,読影者に解析結果を提供して診断の助けとするものである.一方,元画像に処理を施して病変の検出能を向上させるものとして,エネルギーサブトラクション法と経時的差分画像がある.エネルギーサブトラクション法は,胸部単純X線写真で病変検出の妨げとなる骨性胸郭を除去するもので,胸腔内だけを観察することができる.経時差分画像は,骨性胸郭だけでなく,病変以外のすべての陰影を取り除き,病変を強調する方法である.時期の異なる2画像を処理して新たな病変を検出するので,経年的に胸部単純X線写真を撮影する肺癌検診の見落とし防止に効果が期待される.

参考文献

1) 佐藤雅史:胸部写真の読み方と楽しみ方.秀潤社,2003
2) 林邦昭,中田肇:胸部単純X線診断―画像の成り立ちと読影の進め方.秀潤社,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?