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Laboratory Practice 〈病理〉
細胞診の免疫組織化学のコツ―美しい免疫細胞化学標本を作製するために
著者: 畠榮1 米亮祐1
所属機関: 1川崎医科大学附属病院病院病理部
ページ範囲:P.275 - P.281
文献購入ページに移動抗原抗体反応を応用して抗原の局在を観察する免疫組織・細胞化学染色は,1980年頃から細胞診にも応用が試みられるようになり,現在では腫瘍の診断,組織型推定,悪性度評価,病原体検索などの目的で広く用いられている.従来のパパニコロウ染色による形態観察が細胞診断の“gold standard”であることは現在でも変わりはないが,これを踏まえたうえで適応を選択すれば,免疫細胞化学染色は有用な補助的診断手技となりうる.ただし,細胞診材料の場合には,標本の枚数に制限があること,通常は固定にアルコールが用いられることなどから,組織標本の場合とは異なる技術的配慮が必要となる.
本稿で解説する美しい免疫細胞化学標本の作製にはまさに“science and arts”が必要となる.免疫細胞化学染色を行うためには自身が当該病変を的確に把握し,病理組織細胞像や抗原の局在を十分に理解していることが必須条件となる.本稿では,細胞診における免疫細胞化学染色の“コツ”となる手技を紹介するとともに,腫瘍の組織型,原発巣の推定,予後推定や悪性度評価などへの応用について述べる(表1).
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