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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻6号

2010年06月発行

文献概要

技術講座 輸血

クームス試験

著者: 曽根伸治1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.407 - P.414

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新しい知見

 クームス試験(抗グロブリン試験)は,赤血球上の血液型抗原と抗赤血球抗体あるいは赤血球と非特異的に反応した抗体を検出するために,クームス(抗ヒト免疫グロブリン)試薬を加えて赤血球の凝集を検出する検査法である.従来は,試験管を用いて検査を実施していたが,現在ではゲルやガラスビーズを充塡したマイクロチューブ(カラム)やマイクロプレートを利用して,ABO血液型やRho(D)血液型,不規則抗体検査,直接クームス試験が行われている.カラム凝集法やマイクロプレート法は,自動で適切な血球浮遊液の作成や正確な血漿量の分注が可能で,臨床検査技師の技量による差がなく適正な条件で検査ができる.また,結果を自動判定して上位システムにオンラインで取り込むことで,判定や結果入力などの過誤が防止でき,安全な輸血検査が可能である.

参考文献

1) 曽根伸治:抗グロブリン試験.検査と技術 31:307-312,2003
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7) 曽根伸治:不規則抗体と交差適合試験.検査と技術 31:597-603,2003
8) 西野主眞:輸血検査自動機器の精度管理.検査と技術 36:109-115,2008
9) 近江俊徳,梶井英治,小山田隆,他:温式自己免疫性溶血における赤血球結合IgG量の測定とその意義.日本輸血・細胞治療学会誌 38:601-606,1992
10) 菅野直子,小幡隆,小野崎文子,他:カラム凝集法による赤血球凝集反応―試験管法,ビーズ法,ゲル法の比較検討.医学検査 49:951-955,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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