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大腸癌における便中ラクトフェリン測定の有用性
著者: 渡辺明日香1 濱野康之1 松瀬亮一1 平田一郎2
所属機関: 1株式会社いかがく研究開発本部 2藤田保健衛生大学医学部・消化管内科学講座
ページ範囲:P.422 - P.423
文献購入ページに移動大腸癌とは結腸癌・直腸癌の総称であり,近年わが国で罹患率・死亡率が漸増している疾患である.大腸癌検診は癌の早期発見のために有効であり,スクリーニング検査としては,もっぱら便中ヘモグロビン(hemoglobin,Hb)を免疫法で検出する便潜血検査が利用される.しかし,大腸癌における腸管出血は必ずしも普遍的な症状ではなく,また一方,癌に由来しない出血も検出されるため,出血マーカーであるHbの測定だけでは大腸癌の検出に限界がある.そこで,筆者らは炎症マーカーに着目し,便中ラクトフェリン(lactoferrin,Lf)注測定が大腸癌の検出に有用であることを見いだした1).
注ラクトフェリン(Lf):好中球の特殊顆粒内に存在する分子量約80kDaの鉄結合性の糖蛋白質であり,細菌増殖抑制作用,免疫系細胞の分化制御作用,サイトカインの産生抑制などの免疫反応調節作用をもち,初乳・唾液・涙液などの分泌液に多く含まれる.
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