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雑誌文献

検査と技術38巻6号

2010年06月発行

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トピックス

移植コーディネーターの役割

著者: 小中節子1

所属機関: 1社団法人日本臓器移植ネットワーク

ページ範囲:P.452 - P.454

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はじめに

 臓器移植医療は,従来の患者と医師を中心とした医療チームとで行われる医療と異なり,臓器を提供する人が存在して初めて成り立つ医療である.そのためこの医療の推進には,適正な移植システムの確立と社会の理解と信頼を得ることが大切である.また,この医療の実施においては,臓器を提供する患者とその家族,臓器移植を受ける臓器不全患者とその家族,そしてそれぞれの患者・家族に対応する主治医・臨床検査技師などの医療スタッフが,広い意味の医療チームとなって協働することが重要となる.

 わが国では,1997年に施行された「臓器の移植に関する法律」(以下,臓器移植法)を遵守して移植システムを構築している.移植システムの運用は,わが国唯一の斡旋機関である日本臓器移植ネットワーク(以下,NW)が担い,移植コーディネーター(以下,Co)が臓器提供病院の普及啓発,移植希望者登録更新,臓器提供時のコーディネーションを行っている.日本臓器移植ネットワークが発足してからの死後の臓器斡旋は1,986件であり,2,651件の臓器移植につなげた.また,移植希望登録者数は12,620人(2009年12月末現在)である.

 本稿では,わが国における臓器移植医療の歴史を紹介したうえで,NW・Coの役割についてまとめる.また,わが国の臓器移植法の一部改正が2009年7月に国会で決議され,2010年7月17日に施行されるが,この改正法についても触れたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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