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閉塞性肥大型心筋症(HOCM)
著者: 田中道雄1 原光彦2 常深あきさ1 高野誠3 田辺康宏3 手島保3
所属機関: 1東京都立広尾病院検査科 2東京都立広尾病院小児科 3東京都立広尾病院循環器科
ページ範囲:P.512 - P.512
文献購入ページに移動20歳,男性.父が突然死.中学1年の学校検診で心雑音と心電図異常(左軸偏位,I,II,V5,V6のST低下)を指摘され,心エコーで著明な非対称性中隔肥厚(asymmetric septal hypertrophy,ASH)と僧帽弁収縮期前方運動(systolic anterior motion,SAM)が認められ肥大型心筋症と診断された.βブロッカー(インデラル(R)30mg/日)内服と運動制限を指示され,無症状で経過していたが,入院当日に姉が帰宅時に心肺停止状態の患者を発見.救急車到着時には心室細動で,直流除細動とエピネフリン投与を行ったが心室細動は持続.入院後に経皮的心肺補助装置,大動脈バルーンパンピング,抗不整脈剤静注,星状神経節ブロック,一時ペーシング,頻回の除細動を行って心室細動は停止.循環動態は改善せず,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation,DIC)を併発して第3病日に死亡した.剖検にて,ASH・中隔線維帯・心筋線維の錯綜配列(disarray)がみられた.
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