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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻7号

2010年07月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

簡易血糖測定器におけるアスコルビン酸の影響

著者: 速水貴弘1

所属機関: 1社会医療法人仁愛会浦添総合病院臨床検査部

ページ範囲:P.557 - P.561

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はじめに

 従来,血糖測定は検査室内の生化学汎用測定器にて行われていたが,迅速性や簡便性の観点から自己血糖測定(self-monitoring of blood glucose,SMBG)機器が普及してきた.しかし,その一方で測定原理の違いからヘマトクリットや溶存酸素などの内的要因,マルトースやプラリドキシムヨウ化メチル(PAM)などの外的要因などさまざまな要因が測定値に影響を与えることが報告されている1~4)

 今回筆者らは,アスコルビン酸大量投与後に低血糖症状を示しているのにもかかわらず,簡易血糖測定器にて偽高値を示した症例を経験した.干渉物質としてアスコルビン酸を用いた検討の報告5)もあるが,アスコルビン酸濃度は10mg/dlで,それ以上の濃度での影響は不明であった.

 そこで,高濃度アスコルビン酸が簡易血糖測定器およびポイント・オブ・ケア・テスティング(point of care testing,POCT)機器に与える影響について検討を行ったので報告する.

参考文献

1) 葛葉守,小川真紀子,中野玲子:POCT(ポイント・オブ・ケア・テスティング)用血糖測定機器の検討.機器・試薬 27:445-449,2004
2) 光吉慶生,野口昌代,大竹和子,他:血糖自己測定器4機種の比較検討―ヘマトクリットとマルトースおよび溶存酸素との相乗効果について.機器・試薬 31:411-419,2008
3) 広瀬佳子,井上澄子,宮原祥子,他:ヘマトクリット値が簡易血糖測定器に与える影響.機器・試薬 32:423-430,2009
4) 広瀬佳子:血糖測定用POCT機器とSMBG機器の性能比較.第45回関東甲信地区医学検査学会講演集 78,2008
5) 佐野俊一,岸孝彦,後藤峰弘:最新の血糖測定用POCT機器と院内使用機器との性能の比較検討.糖尿病 52:895-902
6) ISO15197 (2003)u:uIn vitro diagnostic test systems-Requirements for blood-glucose monitoring systems for self-testing in managing diabetes mellitus.
7) 日本ビタミン学会(編):ビタミンハンドブック2 水溶性ビタミン.化学同人,pp171-191,1989
8) POCT推進委員会:小型血糖測定装置の一般的特性と注意点.機器・試薬 32:722-726,2009
9) 厚生労働省医薬食品局安全対策課:重要な副作用等に関する情報:自己血糖検査用グルコースキット(グルコース脱水素酵素のうち補酵素にピロロキノリンキノンを使用するもの).医薬品・医療用具等安全性情報No.211:6-7,2005
10) 厚生労働省医薬食品局安全対策課:薬食安第0907001号:血糖測定機器に係る「使用上の注意」の改訂指示等について.2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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