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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻7号

2010年07月発行

文献概要

復習のページ

総カルシウム(Ca)値の臨床的評価について―補正Ca

著者: 川崎健治1 菅野光俊1 野本昭三2

所属機関: 1信州大学医学部病院臨床検査部 2信州大学医学部病態解析診断学講座

ページ範囲:P.568 - P.570

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血清中の総カルシウム(Ca)とは?

 復習のページということなので,「血清中の総カルシウム(Ca)とは?」から始める必要がありそうである.

 人体のCaは成人の場合で総量およそ1kgといわれ,そのおよそ99%が骨にハイドロキシアパタイトとして蓄えられており,残りの約1%のほとんどが骨以外の組織細胞内に,そして約0.1%が血漿および細胞間液に分配されていて体内を循環している.これが血清中の総Caに相当する部分である.ここではin vivoの状態をイメージして話を進める関係から“血漿中のCa”と呼ぶことにする.この血漿中のCaのうちおよそ半分が生理的役割をもつイオン化Ca(Ca2+)で,残りの半分が蛋白結合Ca(組織から組織へ運搬中のCa)とみられている.なお,このほかに炭酸または乳酸など有機酸と結合したCaもわずかに存在するといわれている.なお,赤血球中のCaは血漿中のおよそ1/700ほどである.

参考文献

1) Payne RB, Little AJ, Williams RB, et alu:uInterpretation of serum calcium in patients with abnormal serum protein. Br Med J 15:643-646,1973
2) Pain RW, Rowland KM, Phillips PJ, et alu:uCurrent "corrected" calcium concept challenged. Br Med J 4:617-619,1975
3) 中林徹雄,青木義政,赤沼幸子,他:血清中の蛋白結合カルシウムと蛋白値から直接求めたcorrected Ca用補正式とその評価.信州医学雑誌 43:380,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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