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総カルシウム(Ca)値の臨床的評価について―補正Ca
著者: 川崎健治1 菅野光俊1 野本昭三2
所属機関: 1信州大学医学部病院臨床検査部 2信州大学医学部病態解析診断学講座
ページ範囲:P.568 - P.570
文献購入ページに移動復習のページということなので,「血清中の総カルシウム(Ca)とは?」から始める必要がありそうである.
人体のCaは成人の場合で総量およそ1kgといわれ,そのおよそ99%が骨にハイドロキシアパタイトとして蓄えられており,残りの約1%のほとんどが骨以外の組織細胞内に,そして約0.1%が血漿および細胞間液に分配されていて体内を循環している.これが血清中の総Caに相当する部分である.ここではin vivoの状態をイメージして話を進める関係から“血漿中のCa”と呼ぶことにする.この血漿中のCaのうちおよそ半分が生理的役割をもつイオン化Ca(Ca2+)で,残りの半分が蛋白結合Ca(組織から組織へ運搬中のCa)とみられている.なお,このほかに炭酸または乳酸など有機酸と結合したCaもわずかに存在するといわれている.なお,赤血球中のCaは血漿中のおよそ1/700ほどである.
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