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文献概要
はじめに
近年,感染症分野では遺伝子解析技術の進歩により新たな感染症が次々と明らかとなっている1).それらはウィルス感染,細菌感染,その他の感染症に大別されるが,診断と治療が最も発達している細菌感染症は,従来同定し得なかった菌種やその対象とならなかった菌種,全く無害と考えられていた菌種などが加わり,それらの症例では複雑な患者背景が存在する.細菌感染を診断するうえで,最も迅速で診断的価値の高い臨床検査法としてグラム染色が挙げられるが,しばしば培養結果と一致しないことがある.
本稿では,グラム染色標本では認められるが一般的な培養検査では不一致となる細菌について解説する.
近年,感染症分野では遺伝子解析技術の進歩により新たな感染症が次々と明らかとなっている1).それらはウィルス感染,細菌感染,その他の感染症に大別されるが,診断と治療が最も発達している細菌感染症は,従来同定し得なかった菌種やその対象とならなかった菌種,全く無害と考えられていた菌種などが加わり,それらの症例では複雑な患者背景が存在する.細菌感染を診断するうえで,最も迅速で診断的価値の高い臨床検査法としてグラム染色が挙げられるが,しばしば培養結果と一致しないことがある.
本稿では,グラム染色標本では認められるが一般的な培養検査では不一致となる細菌について解説する.
参考文献
1) 大楠清文,江崎孝行:感染症診断における遺伝子解析技術の適応.日本臨床微生物学雑誌 18:163-175,2008
2) 山田智,大楠清文,大塚喜人,他:膿より衛生現象によって分離し得た嫌気性GNR Porphilomonas bennonisの2例.日本臨床微生物学雑誌 19:164,2009
掲載誌情報