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雑誌文献

検査と技術38巻7号

2010年07月発行

文献概要

トピックス

ホルマリン希釈混合装置を用いた衛生工学的対策

著者: 梅澤敬1 土屋幸子1 芦川智美1 福村絢奈1 佐藤俊1 池上雅博1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院 病院病理部

ページ範囲:P.578 - P.580

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はじめに

 病理検査室における固定槽での作業は,高濃度のホルムアルデヒドを拡散させ,切り出し開始前から劣悪な作業環境となる.特に固定槽からの臓器持ち出し作業は日常業務であり,これらの改善なくしてホルムアルデヒドの根本的な対策は困難である.

 筆者らは,固定槽におけるホルムアルデヒドに最も曝露する作業をアセスメントした結果,以下が明らかとなった.①固定槽からの臓器持ち出し,②固定槽のホルマリン入れ替え,③ホルマリン希釈混合,である.高濃度のホルムアルデヒドの曝露を回避するため,作業環境管理として工学的対策(ホルマリン希釈混合装置,囲い式局所排気装置付きの臓器固定槽)を,作業管理としてホルムアルデヒドに曝露しないための作業手順の改良と標準化を行った.

 本稿では,ホルマリン希釈混合装置による環境改善を中心に,作業環境管理と作業管理のコラボレーション,病理検査室の労働安全衛生の取り組みについて報告する.

参考文献

1) 厚生労働省労働基準局安全衛生部:ホルムアルデヒド,1,3-ブタジエン及び硫酸ジエチルに係る健康障害予防対策について.厚生労働省,2008
2) 労働法令協会(編):安全衛生法令総覧.労働法令協会,2006
3) 梅澤敬,二階堂孝,池上雅博:慈恵医大病院病理部における環境改善.病理技術研究会誌 72:66-71,2009
4) 医療施設の化学物質対策事例 病理部における全面的な有害物質対策を実施.Koken Safety news 604:4-8,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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