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文献詳細

雑誌文献

検査と技術38巻7号

2010年07月発行

文献概要

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あとがき

著者: 伊瀬恵子

所属機関:

ページ範囲:P.582 - P.582

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 2010年も新型インフルエンザに始まり,現在は口蹄疫が猛威を振るっています.最近わが国も,感染症関連の話題にこと欠きません.そこで,今月の“病気のはなし”は「日本脳炎と新しい日本脳炎ワクチン」をお届けします.以前は感染者数の多い疾患でしたが,患者数の激減やワクチン接種による事故などでワクチン接種率が低迷しています.日本脳炎抗体保有状況からも乳幼児と40~60歳代で抗体陰性者が多いです(ちなみに私も終生免疫である麻疹,水痘の抗体が陰性化していたので自費でワクチン接種しました).地球温暖化や流行地への渡航者の増加により検査室でも日本脳炎患者に遭遇する機会が増えています.また,“Laboratory Practice”の「抗マラリア薬に対するマラリア原虫耐性化の現状」でも感染症に対する薬剤耐性の脅威が紹介されています.微生物も人類のスキをついて進化しています.検査最前線の臨床検査技師として知識を得ることは必須といえます.また,同じく“Laboratory Practice”の「簡易血糖測定器におけるアスコルビン酸の影響」には個人的に興味があります.尿ではアスコルビン酸による偽陰性は常識です.紹介されていた症例は,他院で悪性腫瘍に対するアスコルビン酸大量投与療法中であった患者が低血糖であるのに簡易血糖測定器で測定した値が高値を示していた.重大な医療事故を起こしかねない症例です.測定機器の特性を熟知することも重要です.検査を行っていくうえで遭遇するパニック値の発見と的確な報告はとても大切です.東大病院の異常値報告のシステム化の例は大変参考になりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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