文献詳細
文献概要
臨床医からの質問に答える
CEAカットオフ値付近の変動をどのように解釈するか?
著者: 熊谷俊子1 栁奈緒美2 菅野光俊1 伊藤研一3
所属機関: 1信州大学医学部附属病院臨床検査部 2東京医科歯科大学医学部附属病院検査部 3信州大学医学部外科学第2
ページ範囲:P.654 - P.656
文献購入ページに移動癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen,CEA)は,1965年GoldとFreedmanによってヒトの大腸癌より抽出された糖蛋白で,大腸癌を中心とした各種の癌で増量する汎腫瘍マーカーの一つとして広く用いられている1).早期癌における陽性率は高くないため早期診断の有用性は低いが,種々の癌で上昇するため手術後や化学療法などの経過観察に有用である.しかし,今回のテーマに示されたように,経過観察中にカットオフ値付近で変動した場合,その解釈が困難な場合がある.筆者らの経験した例を紹介しながらその原因や対策について考察してみたい.
参考文献
掲載誌情報